青葉の軌跡を辿って 〜WUG舞台〜
6月10日、
仕事を終えて、荒れ模様の天気の中、降り立った青山一丁目駅。
オフィスビルの地下でコーヒーを飲みながら、目的地へ向かう時間を探っていた。
行き先は前の記事の通り、草月ホール。
舞台「Wake Up, Girls! 青葉の軌跡」
オッドエンタテインメント Presents 『Wake Up,Girls!青葉の軌跡』|オッドステージ|オッドエンタテインメント
その感想を、だらだら書きます。
僕は言葉が不自由なので、拙い感想、むしろ記録になります。
会場
草月ホール、青山と赤坂の間にあります。
生け花の本部がビルの上にあります。開場は地下一階です。
大体530席の多目的ホールです。
演劇・コンサートの他に、お笑いライブが多いのが特徴だと思います。
理由はよくわかりませんが。
客席は一階メインに2階・3階があるのですが、上の階は各1列しかありません。
2階にはプロジェクターを利用するとセンター2席が潰れます。
2階からでもしっかりとバミリが確認できたので、後ろからでもしっかり舞台が観えました。
舞台美術
すごかったです(貧弱語彙力)。
盆舞台*2でした。
これを使うと舞台の場面転換が非常にスムーズになります。
前回*3でも映像による場面転換を行なっていましたが、
盆舞台にすることで板付*4プリセット*5が簡単にできます。その分細か舞台が作れます。WUG/I-1と対比的に表現するにはすごくいい舞台機構でした。あれって人力なのかな?モーターとかついてんのかな?
ダイヤモンド型の舞台にはものすごく適した機構でした。
盆舞台と合わせて上下の袖にはWUGアニマルのデザインされたプロセニアムアーチ、もちろん上にはWUGのロゴ。
フットライト*6の位置から照明を当てて大黒幕*7にやんわり影をつけるやり方、大好きです。
プロセニアムの虹色以外は基本白色の舞台。これは映像を投影するから。
真ん中に扉を設置することで、上下合わせて5つの袖を作ってしまう方法。
特に真ん中の扉は筒状のインパクトも強く、トリッキーな遊びもしてました。
少々ハプニング*8もありましたが…
照明
舞台用とライブ用の照明がしっかりと共存していました。
Polarisで使われた星型の光が客席を照らす演出、芝居中ライブシーンでの花道側に映る役者の影、温かい心理描写の光、舞台角に置かれたLEDスタンドライト*9、絶対に逃さないフォロースポット。
とにかくシーンごとでの明かりのメリハリが最高でした。光が演出に与える効果が絶大ということを再認識しました。
音響
演出の萩原さんがTwitterでおっしゃってた。男性スタッフ総出の収録シーン、大迫力でした。
あと一番は千秋楽夜で挨拶をした丹下順子役・田中良子さんの挨拶での曲入れ。
あれに涙しました。
最速のチャイムも大好きです。
耳から楽しむ舞台、久々でした。
映像
これですよほんと。大活躍でした。
実写版OPに圧巻され、巡るめく変わるシーンを投影し、ライブで大盛り上がり。
映像作成もすごいのですが、オペレーターの方の技術に感無量でした。
今回の舞台、
・盆が回ってシーンが変わる。
・パネルに映像を投影してシーンを描く
という流れになるので、「盆が回り切るタイミングといかに合わせるか」が大事なんです。
早く消してもついても遅くついても消えても、もどかしくなってしまうのです。
それを自在に操ったオペレーターさんはすごいんです。
ライブパートで照明と共存する映像がほんと大好きで…
ドン引きされたと思うんで次行きますね。
本編
前回はWUG結成時の、勾当台公園のクリスマスライブまでのお話でした。最初の伊賀の時ですね確か(そんなに知識ないんですごめんなさい)。
今回は、「2018年6月現在から観たアニメ1期の一部分」がベースになってるらしいです。
自分、「WUGを観る」というよりは「舞台を観る」という視点から書きます。ですのでキャラクター同士の事前関係・事後関係の知識は全くないです。
開演ブザー
明転WUG板付、Polarisを披露する。序章の感じで7人が語ってた。
佳乃の、「これは、まだ私たちの間の距離が埋まっていなかった頃の話だ。」が印象に残ってます。そのあとのセリフを聴いて、アニメ版のどの話数ふごろの話をするのかって気づいたワグナーは多いと思います。
真夢以外のメンバーがハけ、すっと目線を上にするシーンがたまらなかったです。
入れ替わりで登場するI-1もなかなかに。あの衣装の赤、とにかく情熱的で目に残るし、舞台上に広がってすんと立ってる姿に圧倒されるんです。
歌ってインタビュー受けて、場面が事務所に変わって…
ここで盆の発動です。事務所のセットに変わりました。机もソファーも窓もあります。
俯瞰してI-1を眺める丹下社長と松田、テレビの切れる音がして、テレビの中のシーンなんだなと認識。WUGとの距離感を感じられる演出で印象に残ってました。
事務所のシーンの松田と社長のやりとり、どのシーンも大好きなんですよ。
テンポに間に内容にコンタクトに仕草、全部一級品です。しゃべくり感が大好きです。
もちろん、落ち着いたシーンも。松田の無頓着で潰すシーンも。
新曲*10をメンバーに渡して、真夢のナレーション。
これしっかり説明しながらもすごいテンポ早めに流れてたんですけど、全部聞き取れるのすごいなって。滑舌良くなかったらできないのと、流れるような息遣い。
社長のセリフから仕事間に対して学ぶことも多くて、すごく、よい(語彙力がない)
OP、アクトと映像で魅せる。作り込まれてました。映像化したら単品で欲しい。
ここから本編(らしい)。
個人的に好きなとこ簡単に箇条書きしていくと
・藍里の部屋での真夢・愛里・美波のインプロ
・高科里佳のとにかく硬い感じと、先輩のおちょくり。テンポの良さ
・バラバラだったあの頃を表す練習シーン
・ワザと下手くそに、自我を強く、癖をつける踊り方
・アンナとカリーナのいちゃつき度、WUGに対して問いかける時とか。
・とにかく自分の心中に向き合うのが必死だったあの頃
・佳乃にスポットの浴びたモノローグ
・早坂のキャラクター
・WUGとI-1の同じ日時ライブ開催の時の盆の使い方、場面転換
・志保と真夢、斜め奥に里佳と佳乃が見守ってるアレ
・握手会での明暗転、フラッシュバックみたいでかっこよかった(こなみ)
・社長がいない時に社長椅子に座っちゃうカリーナ(社長椅子多分ニトリ製)
・早坂を煽る夏夜
・早坂のレッスンシーン、坐禅のヤツでインプロしてました。
・あとあと大変になる藍里がチャレンジ成功して戸惑う早坂。
・藍里の視点から語られるWUGメンバーの話
・シロナガスクジラと松田と舞台監督の黒衣
・twinkleの「ゆき模様恋のもよう」(泣いた)
・藍里対談宣告の「10分間」。これは舞台じゃないと味わえない。
・全ての思いをぶちまける7人
・むすび丸
・ちゃっかりむすび丸抱いちゃう早坂
・手から落としちゃう早坂。
・白木と電話しながらむすび丸を撫でる早坂
・一人語り全部むすび丸に語っちゃう早坂
・お芋ちゃんの象徴と化したむすび丸
・めっちゃやばい目で早坂を見る麻衣
・ラストの松田と早坂、相変わらず。
・カーテンコールに登場しちゃうむすび丸。
・大事に抱える早坂
・早坂にめっちゃ肩組みを強要する松田
・観客感動をぶつけるライブパート
・その前の大人キャスト陣のグッズ押し売り
・ファンサの良さ、普通ここまでやらない。
・挨拶で感極まって泣く中、上手袖からタオルが投げ込まれたはいいがあんなの方にかかってしまう問題
とりあえず箇条書きに。
役者面で言うと、キャスト全員もちろんプロなのでセリフの行間をしっかり読んでるなと言う印象。固有キャラである前に人としてのコミュニケーションができていて人間味に溢れていました。
舞台の上だからこそ表現できる、共有できる空間、しっかり感じられました。
学び
「アニメを舞台に表現することの考え方」これが一番学べたと思います。
アニメの舞台化、大半の人が「アニメを100%忠実に再現しなければならない」と思っているかもしれません。僕も高校の頃まではちょっと思ってました。
しかし、そんなことは全くありませんでした。
終演後に複製台本を買って、読んだのですが、アニメを100%なぞれなんてありませんでした。それなら演出家は某になってますし、最悪台本いらないです。
じゃあなんで台本があるのか、それは「舞台ならでは表現をする」ためだと思いました。
例えば自分が役者になったとします。
演劇における台本は、いわば人間でいう骨格。
役をもらい、セリフを覚え、役を作っていかないといけません。
役作りと演出などにより、骨格に初めて肉がつく、舞台の上におこるのです。
なので「舞台の台本があるなら、舞台の表現をすればいい。」
「100%アニメキャラにならなくていい」ということです。
もちろん、そのキャラクターは舞台が始まる前から細かく作られているわけですから、そこら辺のルールは守らないといけません。
しかし、それ以外の決まっていないことは全て役者自身で作り出さないといけないのです。
例えば藍里の家で、美波がお菓子を食べる。
この一文だけだと結構な疑問点が生まれます。
演じる上で、その疑問点を明らかにして、場面・状況・心理・役を創っていきます。
「その場面の季節は?時間は?」
「なんで美波は愛理の家に行ったの?」
「食べているものは何?」
「立ち位置は?」
「どんなインテリアがある?」
等々、アニメでも繊細な描写で描かれていましたが、煮詰めれば煮詰めるほど深まっていきます。
この時点でもうアニメのシーンとは別物になってしまうのではないかなと私は考えています。
今回の舞台組の役者の方々は、しっかりキャラクターを捉え、足りない部分をしっかりと作り込んでいて、勉強になりました。プロって当たり前だけどすげぇ。
また、キャラクター同士の関係が忠実に見えてきたのが印象的でした。
足音一つから呼吸まで、あらゆる仕草がキャラクターの感情に現れますし、人間としてのコミュニケーションも発生しますから、人間味が溢れていました。
特に林田藍里首切り問題、あの10分間での沈黙、体に寒気が走るぐらいに引き込まれました。息の音まで聴こえるあの感じ、堪りません。
語彙力がないことを悔やんでます。しっかり書き込みたい。舞台ならではなんですよ。
強いていうなら「同じ空間を共有している」ってことかもしれません。
稽古の期間中に役者・スタッフ一同とにかく切磋琢磨努力しあったんだなというのが伝わってきました。
アニメ・舞台、両方の良さを満遍なく表現された作品だったと、雑ながら筆を置かせていただきます。
キャスト・スタッフの皆様、本当にありがとうございました。
追記
前回こんな記事書いてました。
これ、今回演出の萩原さんをはじめキャスト・スタッフの方に見つかってしまいました。
畜生!(コウメ)なんて日だ!(小峠)ハンバーグ!(師匠)
お兄さん許して!(お姉さん)
これは凄いです。
— 萩原成哉 Toy Late Lie (@naruya_hagiwara) 2018年6月7日
今回の舞台だけでなく、舞台を観劇する予定のある人は見てみてください。
とても素敵です。
作る側と見る側
どちらの視点でも書かれています。 https://t.co/UF8svwEoJC
素直に嬉しかったです。
かなり雑に、乱暴に書いてあった記事を、褒めていただけるだなんて…
本当に感謝しかないです。
ありがとうございました!
活躍は絶対に追いかけます!
1万300円を添えて